2024-05-20

小型ボディーにAI機能を詰め込んだ「Galaxy S24」の実力を体験

※このページの内容はウェブメディア『ASCII』の記事を一部編集して転載したものです。

Galaxy S24は小型のボディーに高性能チップセットとAI機能を搭載したハイスペックなスマートフォンだ。今回は上位モデルのGalaxy 24 Ultraとの比較をしつつ、レビューした。

Galaxy S24

Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy搭載のハイスペックモデル

Galaxy S24は4月3日にSamsungが発表したGalaxy S24シリーズ2機種の中で、サイズが小さいモデル。手のひらが小さい女性でもラクに持てる大きさながら、チップセットにはSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載しており、本体のパフォーマンスは非常に高い。

ディスプレイは約6.2インチ(2340×1080ドット)、画面輝度は2,600nitsで、Galaxy S23の6.1インチ、1,750nitsよりサイズが大きくなり明るくなった。なお、フロントカメラは約1,200万画素である。カメラはメインの広角が約5,000万画素、超広角が約1,200万画素、3倍望遠が約1,000万画素という構成だ。

約6.2型ディスプレイを搭載、約5,000万画素を含むトリプルカメラを搭載。

ディスプレイはフラットタイプで、側面フレームはエッジを立てたデザインとなっており、最近のスマートフォンによくあるデザインだ。本体サイズは高さ 約147.0 x 幅 70.6 x 厚さ 7.6mmで、約167gと軽量だ。Galaxy S23の高さ 約146.3 x 幅 70.9 x 厚さ 7.6mm、約168gと比べると全長が若干伸びたが横幅は狭くなった。さらに重量も約1g減となっている。

薄型軽量のボディー

本体のインターフェースは右側面に電源とボリュームボタン、本体下部にnanoSIMトレイ、USB Type-C端子を備える。デザインはGalaxy Sシリーズ共通のオーソドックスなものとなっている。本体カラーはアンバー イエロー、オニキス ブラック、コバルト バイオレットの3色。

本体下部の端子や右側面のボタン

約6.2インチのディスプレイは片手で操作中も四隅に指先が届くため、ポケットから取り出してすぐに目的のアプリを使いやすい。新機能のリアルタイム通訳も片手操作で使えるのだ。約167gの重量も、持っていることを感じさせないくらい軽量であり、長時間の利用も苦にならない。

片手操作もラクにできる

OSはAndroid 14でSamsung独自のOne UI 6を搭載している。One UIはクセが少なく、Androidメーカー各社のUIの中では使いやすい部類に入るのではないだろうか。前述したリアルタイム通訳はクイック設定を開くと標準で起動できる。

ベンチマークはGeekbenchのスコアでシングルコア2,110、マルチコア6,545と十分高い。

SamsungのOne UI 6ではリアルタイム通訳が標準搭載。Geekbench 6のスコア

Galaxy S24 Ultraとのサイズや使い勝手の比較

Galaxy S24シリーズは、今回紹介するGalaxy S24、Galaxy S24 Ultraの2機種が国内で発表された。

Galaxy S24とGalaxy S24 Ultra

Galaxy S24とGalaxy S24 Ultraは本体サイズも大きく異なり、またGalaxy S24 UltraはSペンを内蔵しており、スタイラスでの文字入力なども可能だ。そのため両者は同じシリーズのモデルではあるものの、使い勝手やターゲットユーザーは大きく異なる。

とはいえ、どちらもSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載した高性能モデルだ。今回のGalaxy S24シリーズの目玉であるAI機能は、Galaxy S24、Galaxy S24 Ultraどちらも同等の機能が利用できる。

両者のサイズ以外の大きな差は本体フレームで、Galaxy S24 Ultraがチタニウムを採用しているのに対し、Galaxy S24は従来通りのアルミフレームとなっている。そのため本体を握ったときの質感も異なっている。

Galaxy S24のフレームはアルミ製である

本体サイズの違いも大きいが、Galaxy S24 Ultraの約232gに対してGalaxy S24は約3割も軽い約167gだ。そのため片手操作がしやすく、またカメラを片手持ちして長時間の動画撮影も苦にならない。「小型軽量なのに高パフォーマンス」これがGalaxy S24の一番の特徴なのだ。

片手での長時間利用もラクにできるGalaxy S24

一方、Galaxy S24 Ultraは広角(標準)カメラが約2億画素だ。また、約5,000万画素の5倍望遠カメラも搭載し、最大でデジタル100倍にも対応。さらにSペンを内蔵していることから、画像編集時も細かい作業ができ、手書きでメモも取りやすい。

Galaxy S24 Ultraは「ビジネスにもクリエイティブにも使えるモンスターマシン」であり、ゲームも含めたヘビーユーザーには現在販売されているAndroidスマートフォンの中でも最も適した1台と言えるだろう。

パフォーマンスは同等、用途に応じて両者を選びたい。

優れたAI機能は
上位モデルと同等

Galaxy S24シリーズの新しいAI機能は、Samsung NotesのテキストをAIが自動加工できるノートアシスト、レコーディングアシストでの文字起こし、チャットの翻訳、音声通話時のリアルタイム通訳、AIフォト編集、そしてGoogle検索の新機能のかこって検索など、その数は多い。

ここでは簡単にリアルタイム通訳とAIフォト編集機能を紹介する。

リアルタイム通訳は日本語、英語、韓国語など、幅広い言語に対応する。あらかじめ言語パックのインストールが必要だが、インストールさえ済ませればあとはオフラインでも利用できる。リアルタイム通訳は自分と相手の上下2画面のUIになっており、マイクボタンを押して話をするとテキスト表示と音声読み上げを行なってくれる。AIが自動的に文脈を判断しているわけだ。

リアルタイム通訳。しっかり翻訳された。画面反転させれば相手との会話もしやすい。

AIフォト編集では「AI消しゴム」や移動、オブジェクトの拡大縮小(そして移動)ができる。ギャラリーから写真を編集モードで開き、AI編集を選ぶと編集したいオブジェクトを選択する画面となる。指先で適当に選べばオブジェクトのみが選択され、あとはそれを消去、移動、拡大縮小させる。最後に画面下の「生成」を押すと、オブジェクトの編集が行われ、元々オブジェクトがあった場所には背景が自動生成されるのだ。

編集モードでAI編集を選び、オブジェクトを選択。消去や移動の選択を行ったら「生成」をタップする。

実際に生成AI編集で、柵にある注意書きの案内版を消去してみた。新たに柵が生成されているだけではなく、案内版の後ろのコンクリートの床や水面が自然に生成されている。風景撮影時に写ってしまった電柱や人影などもきれいに消去できそうだ。

生成AI編集機能で案内版を消去。自然に消えている。

夜景にも優れた
高性能なカメラ

Galaxy S24のカメラは約5,000万画素 f/1.8の広角、約1,200万画素 f/2.2の超広角、約1,000万画素 f/2.4の3倍望遠を搭載する。Galaxy S23とほぼ同等スペックであり、Galaxy S24 Ultraほど高性能ではないものの、ハイエンドスマートフォンとしては必要最小限、十分な性能と言えるだろう。

標準カメラは通常だとピクセルビニングによる約1,200万画素撮影となり、約5,000万画素撮影は手動で切り替えが必要だ。

約5,000万画素を含むトリプルカメラを搭載

カメラのUIはGalaxy S23やGalaxy S24 Ultraと同等だ。望遠はデジタルで最大30倍まで、動画撮影時は12倍までとなる。動画は最大8K 30fps録画にも対応する。また、最近の海外メーカーのスマートフォンでは標準的な機能になっている写真に入れる透かしは、端末名や好きな文字に変えたり、日付や時間を入れるほかにフォントも数種類から変更できる。

カメラのUI。RAW撮影などはその他モードから選べる。

以下は実際の作例となる。画角の差、約5,000万画素撮影、近距離撮影とナイトモード撮影を試してみた。

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本記事で紹介した製品
スペック一覧
Galaxy S24 Galaxy S24 Ultra
ディスプレイ 約6.2インチ/Dynamic AMOLED 2X(有機EL) 約6.8インチ/Dynamic AMOLED 2X(有機EL)
画面解像度(mm) 2,340 x 1,080(FHD+) 3,120 x 1,440(Quad HD+)
サイズ(mm) 高さ 約147.0 x 幅 70.6 x 厚さ 7.6 高さ 約162.3 x 幅 79.0 x 厚さ 8.6
重量 約167g 約232g
CPU Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy
メモリー 8GB 12GB
ストレージ 256GB/512GB 256GB/512GB/1TB
カメラ アウト:広角 5,000万画素/光学3倍 1,000万画素/超広角 1,200万画素
イン:セルフィ― 1,200万画素
アウト:広角 2億画素/光学3倍 1,000万画素+光学5倍 5,000万画素/超広角 1,200万画素
イン:セルフィ― 1,200万画素
バッテリー容量(標準) 4,000mAh 5,000mAh
画面輝度 2,600nits
生体認証 ○(指紋、顔)
USB端子 USB Type-C
防水防塵 IP68規格
OS Android 14
eSIM
カラバリ アンバー イエロー
オニキス ブラック
コバルト バイオレット
チタニウム グレー
チタニウム ブラック
チタニウム バイオレット

※モデルやカラーは国や地域、キャリアによって取り扱いカラーが異なります。

【まとめ】
AIはもはや誰もが使える一般機能になった

Galaxy S24はコンパクトなボディーに高い性能を詰め込んでいる。これは前モデルのGalaxy S23でも同様だ。しかし、Galaxy S24は新たに搭載したAI機能により、スマートフォンの使い方そのものを大きく進化させている。

今回紹介したリアルタイム通訳は外国人とのコミュニケーションをあらゆる場所で手軽にできるし、写真の加工も消去や移動後の仕上がりが自然なので、日常的に生成AI編集を使いたくなるだろう。そしてポケットに入れておいても存在感の気にならない約167gという軽さも大きな魅力だ。

AIはもはや特別なものではなく日常的に使うスマートフォンの標準機能である! Galaxy S24はそう感じさせてくれるスマートフォンであった。

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